石上豊という人物02

26歳、パチンコ屋のスタッフとして働く。石上豊(26)はひとことで言うなら、打たれ弱い。そんな石上豊の人生を軽く紹介しようと思います。両親ともに教師で固い家庭環境に育った石上豊(26)。中学生までは、かなりの優等生で全国模試も毎年上位で学年中が認める「カンペキな人」。生徒会にも所属しており、トレードマークの銀縁のメガネ、サラサラな黒髪、まるで漫画の登場人物のように整った容姿。部活は弓道部。

そんな石上豊(26)の唯一の欠点が所謂マザコンだということ。家ではママ、ママ、と母親絶対至上主義なのである。先ほど、両親は教師の固い家庭に育ったと書いたが、父親は鬼のように厳しかった。しかし、母親は裏でかなり甘やかしていたのである。そのような絶妙なバランスで成り立っていた石上豊(26)の「完璧人間キャラ」。それは、高校入学と同時に崩れることとなった。生まれてこのかた「凄い」、「カッコイイ」、「素敵」と褒められまくって育った石上豊(26)は、その言葉たちはどれも「当たり前」になっていた。高校も県内でTOPの学校に難なく入学するのだがそこでの出会いは石上豊(26)プライドをズタズタに切り裂くものだった。

その地域一番の会社の息子に、オリンピック候補の体操マン、全国模試3位をとったことのある上をいく秀才など。当然のように自分が何事もナンバーワンだと思っていた石上豊の心が折れるのにそう時間はかからなかった。学校に行ってはプライドを傷つけられ、帰宅しては「ママ」に泣きついたそう。そして母親もまた「大丈夫よ、もっと頑張ればすぐにあなたが一番になれるわ。」と言い聞かせた。言いつけ通り、勉強を何倍も何倍も頑張って、筋トレも行った。少しでもあの同級生たちに「凄いね」と言ってもらいたかったからである。しかしその努力もむなしく、頑張っても見向きもされない。この現実を知ったとき絶望を味わった。ただ同級生たちは、そんなのはどうでもよく、高校生活という青春を楽しんでいただけなのだ。当時のクラスメートに話を聞いたところ、人と少々考えがズレていた石上豊(26)は「勉強好きな人」という印象だった、それだけであったという。

そんな、激しいジレンマに押しつぶされそうになりながら必死で耐えた石上豊(26)は進路決めの際、なにかがプツンと途切れた。頑張ることを辞めたのである。誰もが、大学進学と思っていたのだが石上豊(26)は就職を選んだ。3年間の努力のかいあってか安定した優良企業に入社できることが決定した。両親はもちろん大学に行きなさい、と反対したのだが「大好きなママの言うことでも、聞けない。ぼくは決めたんだ。」と頑なに自分の意思を曲げなかった。父親はほとんど勘当同然のように、「そんなに言うなら家を出ていけ、一人暮らしをしろ。」と引っ越し費用100万円と、荷物・石上豊を家から出したという。当時のことは頭が真っ白でよく覚えていないらしいが、相当なショックだったという。

新たな気持ちで「石上豊(26)は生まれ変わるんだ」という気持ちで入社した会社。「使えないやつ」「話聞いてない」「目上の人に対する態度がなってない」と散々な注意を受け、キャパシティーオーバー。入社1か月で会社を去ることになった。最初は100万円の残りもあったので余裕だったのだが、だんだんとそのお金もそこが見えてきたとき、とにかく働きに出ねば、という気持ちで決めた時給の高いパチンコ屋スタッフ。大きな音で耳がやられながらももう7年近く頑張ったという。そんな石上豊(26)も、家庭を持ちたいと考えており、20代のうちにと、本格的に転職を考えていた。

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